【メルコスール(MERCOSUR)】その目的・目標とは?バラッサの理論と照合

地域統合

本記事では、メルコスール(MERCOSUR)の組織としての目的・目標とはなんなのかを紹介し、分析していければと思います。

なお、メルコスールの設立の背景などについては、以下の記事をご参照いただければ幸いです。

MERCOSURの4つの目的:「経済同盟」の実現?

パラグアイの首都で結ばれたMERCOSURの設立条約は、MERCOSURの4つの目的(Objetivos)を設定しています。

この4つの目的を、バラッサ(1961)の経済統合の段階分けと照合していくと、メルコールの目指すところは「経済同盟」に当たる経済圏の創設であると言えます。

なお、バラッサの経済統合の段階については、以下の記事で紹介させていただきました。

経済統合の種類・段階とは?【バラッサの理論】わかりやすく紹介
本記事では、経済統合の種類・段階について、最も有名なバラッサの理論をベースにしつつ、わかりやすく紹介します。
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具体的には、以下の表で見て行きます。

目的経済統合の段階ごとの条件
1)  関税主権および商品流通への非関税の制限、その他同等の手段の撤廃などを通じた、財・サービス・生産要素の国家間の自由な流通I) 関税の撤廃.
III) 生産要素の自由な流通
2) 第三国または国家のグループに対する対外共通関税の設定および共通の通商政策の導入、ならびに地域的・国際的な経済・通商会議における立場の協調II) 対外共通関税の設定
IV) マクロ経済政策の調和
3)  加盟国間の競争のために適切な条件を確保するための、加盟国間のマクロ経済および産業セクター政策(貿易、農業、産業、財政、金融、為替、資産、サービス、関税、運輸、通信、その他合意するもの)における協調IV) マクロ経済政策の調和
4)  統合プロセスの強化を達成するための、加盟国の関連分野の法制度の調和のための約束IV) マクロ経済政策の調和
I)- IV)はそれぞれ I) 自由貿易地域, II) 関税同盟, III) 共同市場, IV) 経済同盟 の条件
 
出典: MERCOSUR公式HPと Balassa (1961)の情報を基に独自に作成.

(以下は原文を基にしたスペイン語版)

ObjetivosCondiciones de la integración económica
1)  La libre circulación de bienes, servicios y factores productivos entre los países, a través, entre otros, de la eliminación de los derechos aduaneros y restricciones no arancelarias a la circulación de mercaderías y de cualquier otra medida equivalenteI) Eliminación de aranceles.
III) Libre circulación de factores productivos.
2) El establecimiento de un arancel externo común y la adopción de una política comercial común con relación a terceros Estados o agrupaciones de Estados y la coordinación de posiciones en foros económico comerciales regionales e internacionalesII) Establecimianto de AEC.
IV) Armonización de políticas macroeconómicas.
3)  La coordinación de políticas macroeconómicas y sectoriales entre los Estados Partes: de comercio exterior, agrícola, industrial, fiscal, monetaria, cambiaria y de capitales, de servicios, aduanera, de transportes y comunicaciones y otras que se acuerden, a fin de asegurar condiciones adecuadas de competencia entre los Estados PartesIV) Armonización de políticas macroeconómicas.
4)  El compromiso de los Estados Partes de armonizar sus legislaciones en las áreas pertinentes, para lograr el fortalecimiento del proceso de integraciónIV) Armonización de políticas macroeconómicas.
I)- IV) son los requisito de:I) Área de Libre Comercio, II) Unión Aduanera, III) Mercado Común y IV) Unión Económica respectivamente.
 
Fuente: Elaboración propia con las informaciones de la página web del MERCOSUR y Balassa (1961).

上記の表を見ると、メルコスールは「経済同盟」に必要な条件の達成を目的に掲げているということができます。「経済同盟」はバラッサの段階分けの4段階目で、レベルの高い経済統合の段階です。

目下の目標は「関税同盟」の条件クリア

しかしながら、メルコスールの実績を見ると、完全な「関税同盟」(経済統合の2段階目)とも言えない状況であるのが実態です。したがって、現実的には「関税同盟」の条件をクリアすることが目下の目的・目標であると考えます。

「関税同盟」の条件クリアのためには、以下の手段を取っていくことが重要です。

①域内の通商促進のため議論されていきた自由貿易計画を実践すること
②加盟国の競争力強化のため、対外共通関税を設定し、非加盟国に対する共通の通商政策を取ること
③加盟国が高い関心を有する生産セクターの質を高めるため、産業セクター別の合意を進展させること
④各種の合意を容易にするため、加盟国間のマクロ経済政策の調和をとること

これらの手段がどのように達成されているか、いないのかを、今後別の記事で見ていければと思います。

まとめ

本記事では、メルコスールの設立条約(アスンシオン条約)に見る4つの目的・目標を、バラッサの経済統合の段階分けと照合しつつ、分析しました。

その目標は、設立30年が経過した現在も、全て達成できているとは言えず、目下の目的は「関税同盟」の結成に必要な条件のクリアであると考えます。別の記事では、そうした現状を具体的にみていきたいと思います。

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